胡蝶蘭で始まる座学の日

2025年11月13日(木)曇り
教室に入った瞬間、胡蝶蘭がズラッと整列していて、
思わず 「え、今日は誰か偉い人が来る日?」 と勘違いしました。

白・黄・桃・パステルのグラデーションが、完全に“来賓モード”。
教室が一気に式典クラスの華やかさになりました。
そして講義が始まってすぐ分かりました。

偉い人は講義の先生でした。
長年にわたる育種への取り組み、開発の裏側、技術の積み重ね。
その一つ一つが実績の重みそのもので、聞けば聞くほど納得。

見た目の優雅さとは裏腹に、その裏側は想像以上にロジカルでタフな世界でした。
胡蝶蘭が形になるまでのプロセスは、もはや 長期プロジェクト型の研究開発
交配 → 播種 → 無菌培養 → 開花 → 選抜 → クローン増殖 → 市場性チェック
開発期間は 8年〜12年
市場で評価される基準は、花持ち・輸送性・器との相性まで徹底
クローン技術の進化と変異リスクの管理
台湾との圧倒的な生産体制の違いで見える“競争構造”
並んでいた実物の完成度も圧巻で、白大輪は“王者の風格”、
黄色系は“柔らかいのに芯がある”、ピンクやパステルは“可憐さと高級感の両立”。
どれも「ここまでやるか…」と唸るレベルでした。
胡蝶蘭の奥にある“技術と戦略の世界”を垣間見た、そんな一日でした。