今年最後の実習と風の丘ファーム見学

2025年12月19日(金) 晴れ
今年最後の実習日です。
修了式のあと、いつもより少なめの収穫調製に加え、ほ場の敷地境界沿いの清掃を
行ってから、午前中にはサトイモの畑貯蔵にも取り組みました。
畑貯蔵は、一度掘り上げたサトイモを、霜害を防ぐために掘った溝へ埋め戻して保存する方法です。

収穫して終わりではなく、品質を保ったまま次の工程へつなげる作業。

理にかなった保存技術であり、自然との調和をいかした取り組みに感じました。

午後は校外学習で、小川町の「風の丘ファーム」を訪問しました。
田下隆一先生の案内で、ほ場や調整施設、育苗室などを見学します。
最初に訪れたのは、多彩な大根を栽培するほ場。

9月中旬から順次播種された大根が並び、紅晶、紫大根、紅くるり、新理想、青長大根、黒丸大根、青首大根など、色も形も実に多様です。
特徴的だったのは、大根の列間(約1m弱)にカブやラディッシュを混植している点。
大根が大きくなる前に小物野菜を収穫し、その後に大根の土寄せを行うことで、空間と時間を
無駄なく使う設計がされていました。
傾斜地が多い地域のため、土の厚さや乾燥具合が上下で異なり、管理には工夫が必要になるという話も印象に残ります。

続いて見学したのは、田んぼの裏作を利用した葉物のほ場です。

夏場に水が張られることで、冬に問題となりやすいハクサイダニが発生しにくく、葉物栽培に適した環境がつくられています。
ここでは、コマツナ、チンゲンサイ、ホウレンソウ(赤系品種含む)、ナ花などが、不織布やトンネルを用いて栽培されていました。
特に印象的だったのが、3月の端境期を見据えた「白菜のナ花」の作付けです。
甘みが強く需要の高まる時期に安定して出荷できるよう、逆算した栽培計画が組まれていました。

また、田んぼならではの水持ちの良さにより、雨が少ない時期でも発芽が安定しやすいことや、稲作期に発生するカブトエビが除草を助けるといった循環も、このほ場の強みです。

案内していただいた二つのほ場は、役割の異なる二つの現場でした。
一方は多彩な大根を中心に展開する見せ場のあるほ場、もう一方は害虫対策と端境期出荷を見据えた戦略的なほ場。
いずれも土地条件を踏まえ、作物と作期が明確に組み立てられていました。
今年最後の実習は、畑の作業と校外での学びが重なり、締めくくりにふさわしい一日となりました。
二つのほ場で見た考え方や工夫を、今後の栽培に生かしていきたいと思います。