ピペット握って気づいた、育種の裏側

2025年12月4日(木) 晴れ 当番
本日は座学の日。1限の作物育種はいよいよ「遺伝子入門」。
教室に入ると、机ごとに実験ブースのようなセットが並んでいて、少しワクワクしました。

作業に入る前に、研究センターの講師の方からスライドで概要説明があり、
埼玉ブランド品種の育成を裏側で支えている遺伝子解析の役割をまず共有。
その話を踏まえてピペットを握ると、
「これは単なる体験じゃなく、品種づくりの基盤にある技術なんだな」と腹落ちしました。
今日のミッションは、ナシのS遺伝子(自家不和合性遺伝子)から品種を当てる遺伝子解析実習。
まずPCR産物をピペットで吸い上げ、寒天ゲルの小さな穴(ウェル)にそっと落とす工程。

この“穴を壊すなよ”というプレッシャーがじわじわ効いて、手元がプルプルしないよう慎重に分注しました。
サンプルを入れ終わったら、100V・20分のゲル電気泳動へ。

泳がせた後はゲル確認装置でバンドの位置を読み取り、ナシの品種を特定します。

普段の畑ではまず触れることのない世界ですが、やってみると理屈が少しずつつながっていく感覚があり、妙に面白い。

スライドで紹介された通り、日々、果樹担当と連携してナシの遺伝子解析を行い、
省力化・低コスト・高品質生産のための品種育成を下支えしている研究チーム。

普段の農作業の裏側で、こうした専門技術が静かに動いていることを知り、
“現場を支える研究力”の存在を改めて感じました。

育種を語る上で、遺伝子解析は欠かせない領域。
今日の実習で、その距離がぐっと縮まった気がします。